抵当権の設定・抹消

◾️抵当権の設定
抵当権設定とは、住宅ローンなどの融資を受ける際に、建物や土地に担保権を設定することです。
債権者は、借主が住宅ローンを返済できないと判断した場合、所定の手続きを経て建物や土地を競売にかけることができます。
抵当権を設定することを「抵当権設定登記」といいます。

抵当権設定登記に必要な代表的な書類は以下の通りです。

・印鑑証明書
・登記原因証明書
・権利証
・住宅用家屋証明書
・司法書士への委任状　　など

また、抵当権の設定にかかる費用もご紹介します。

・登録免許税
債権額の0.4%が登録免許税としてかかります。
例えば、2000万円の債権を有している場合、8万円かかります。

・司法書士報酬
抵当権の設定を司法書士に依頼した場合にかかる費用です。
抵当権の設定にあたっては、法律の知識や経験が必要であるため、司法書士が関わることが一般的です。
費用は事例によって異なりますが、目安としては5〜7万円です。

・その他
収入印紙や印鑑証明書の発行手数料、登記事項証明書の発行手数料などがかかります。

◾️抵当権の抹消
抵当権抹消とは、不動産に付いている抵当権という担保を抹消するための手続きです。
抵当権は、住宅ローンなどの債務を完済しても自動的に消滅するわけではありません。
そのため、抵当権を抹消する手続きを行う必要があります。

抵当権抹消の手続きは、以下の通りです。

（1）金融機関から書類を受け取る
ローンを完済すると、数日以内に金融機関や保証会社からいくつかの書類が送られてきます。
その中で、抵当権抹消に必要な書類は以下の4つです。

・返済の証明書
・登記簿謄本または登記識別情報証明書
・登記事項証明書
・委任状

（2）提出書類の準備
主に、「支払証明書」「登記事項証明書または登記識別情報」「登記事項証明書」「委任状」「登記申請書」を準備します。

（3）抵当権抹消登記申請書類の作成
登記申請書の雛形は、法務局で受け取るか、法務局のホームページからダウンロードできます。
登記申請書の記入方法は、管轄する法務局によって異なります。
不備があると書き直しを求められることもありますので、事前に確認しておきましょう。

（4）法務局に書類を提出する
上記の書類がそろったら、法務局に書類を提出します。
郵送での提出も可能ですが、直接提出することで、書類の不備をその場で指摘してもらえるため、スムーズに手続きを進めることができます。

書類の送付先は自宅最寄りの法務局ではなく、不動産を管轄する法務局なので、事前に管轄する法務局を確認しておく必要があります。

■まとめ
今回は、抵当権の設定、抹消について解説しました。
設定と抹消のどちらにも法律の知識や経験が必要になる場面があります。
そのため、抵当権についてお悩みの方は専門家に相談することをおすすめします。

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